新築一棟マンションに関する融資について

新築一棟マンションに関する融資について

当社で企画している物件の総額(土地・建物・建築コンサルティング料)は3億円台〜5億円台の物件ですが、物件を購入いただいている投資家様のほとんどは金融機関から不動産投資ローンを受けられていたます。不動産投資ローンを利用すれば自己資金では手に入れることが難しい物件を購入することができ、少ない自己資金でより大きな利益を得る可能性があります。
3億円台〜5億円台の融資となると、比較的身近な住宅ローンと比較すると遥かに融資額は増えますが、今回はその違い、融資のお申し込み、金融機関の審査のポイントについて、お伝えいたします。

1.住宅ローンと不動産投資ローンの主な違い

一般的に住宅ローンは各金融機関での取り扱いがあり、商品としてパッケージ化されているため、取扱金融機関の商品ページを検索すると、借入限度額・借入期間・借入金利など明確に決まっております。また、特長として、審査時間が短い、返済財源は給与収入などである、保証会社の保証を必要とする、団体信用生命保険という保険(万が一の事態になった場合、保険によりローン残高がゼロになる)が付保されていることが挙げられます。

その一方で、不動産投資ローンは一部の金融機関ではパッケージ化されておりますが、ほとんどの金融機関では案件ごとに個別に審査いたしますので、実際に金融機関へ審査依頼してみなければ借入金額・借入金利などの目安がわかりませんが、一般的には、審査に要する時間は3週間〜1ヶ月半程度、借入期間については35年、金利については一定の範囲内の水準のケースがほとんどです。借入金額については、投資家様の財務状況や資産・各金融機関の審査等によって大きく異なりますので、複数の金融機関に打診するのが良いと思われます。また、昨今の不動産マーケットでは物件によってすぐに決まってしまう場合もありますので、いち早く審査結果を出していただけるかも金融機関への打診の上では重要な点であると思われます。なお、不動産投資ローンでは、保証会社の保証を必要とせず、団体生命保険も付保されないケースがほとんどです。

2.金融機関への融資のお申し込み等について

金融機関へ融資のお申し込みをする際は、メガバンク、信託銀行、地方銀行、信用金庫、信用組合、ノンバンクなど多くの選択肢がございます。各金融機関によって、金利、借入金額などの条件はまちまちですが、まずご相談を考える金融機関は通常最も利用しているメインバンクになると思います。融資につきまして、当社では投資家様から物件への融資付け打診を依頼されるケースも多く、様々な金融機関と頻繁にやり取りしており、融資条件等の情報についても豊富です。実際に物件の購入をご検討される際には、自己資金を考慮した借入金額や返済期間等について、お気軽にご相談いただければ、お客様のご要望に沿う形で金融機関への打診や交渉いたします。なお、今までのケースで融資において投資家様が最も気にされる点は自己資金ですが、直近では平均的に総額の約10〜20%の自己資金が必要とされるケースが多いです。融資の打診を受けた金融機関は審査を進めていくかどうかの方向性に関する協議を行い、申し込みを受けてから2週間程度でその方向性について確認ができるケースが多く、この時点で融資を受けられるかどうかがある程度見えてきます。

3.金融機関の審査のポイント

不動産投資ローンは、一般的に住宅ローンと比べると審査が厳しく、審査のポイントは家賃収入でローン返済原資を十分に確保できるか、不動産の評価額がローン借入金額を上回るかが重要となります。特に、前者の家賃収入は、いわば物件の収益性にあたり、エリア等を加味した利回りや中長期的に見た稼働率の点を考慮します。当社の物件につきましては、対象エリアは山手線のやや外側の物件が多く、このエリアは都心に近い人気エリアであり、利回りも現状5.5%以上を確保できております。稼働率の点でも新築デザイナーズRC物件であることもあり、当社企画で竣工した物件については良好な稼働を維持しております。

また、審査につきましては、投資家様に対する審査もあり、給与等の収入・勤務先・保有する金融資産や不動産・収益不動産の今までの実績について審査します。

当社経由で金融機関へ審査を打診した際、金融機関からの要請が最も多いのは自己資金額です。この理由として、金融機関では、不動産投資ローンの返済が難しくなった場合を想定して融資実行時に不動産に抵当権を設定しますが、返済が滞ると抵当権によって金融機関が不動産を差し押さえて不動産を売却し、その売却代金からローン残金の回収を期待します。そのために、不動産の評価(担保評価)を事前に行い、その評価額が高ければ高いほどローン残金の回収が容易になるのですが、不動産の評価とローンの金額に乖離がある場合、それを埋めるのは自己資金となるため、自己資金額が特に重要となります。但し、自己資金が不足する場合でも不動産を多く保有されているケースやご家族の方が資産を多く保有されるケース等で担保できる場合があります。

4.最後に

今回、住宅ローンと不動産投資ローンの違い、融資のお申し込み、金融機関の審査のポイントについてお伝えいたしましたが、どの金融機関へお申し込みする際でも共通することとして述べさせていただきました。

投資家様の目線は、いかに自己資金を少なくして、レバレッジを効かせるかという点が重要だと思いますので、当社では融資相談等のサポートも全力でいたします。具体的には、当社が金融機関と融資の交渉をする際、返済財源や物件評価が不足している場合、金融機関の担当者と相談しながら、投資家様のローン承認及びより良い融資条件の引き出しに向けて、常に努力しております。住宅ローンと比較して、借入金額が大きく、融資のハードルも高くなるため、どうしても投資家様のご要望に添えない場合もございますが、粘り強く交渉を継続しておりますので、当社の物件に興味をもっていただき、融資を組む際はぜひご相談ください。

七崎 真大朗

金融機関での経験を活かし、全国の物件を取り扱う不動産会社にて長らくアセットマネジメントや商業開発を担当。その後、東京レーベルにて企画物件の販売を担当。