東京レーベルは設立から5期が過ぎたこのタイミングで、 業務拡大・スタッフ増員に伴い新オフィスへ移転いたしました。以前のオフィスと同じく慣れ親しんだ恵比寿駅から徒歩5分の場所にある約230㎡の新オフィス。今回のブログではそのコンセプトやデザインを担当した建築チームリーダー、岩元さんにそのこだわりについてインタビューしました。
新オフィスのコンセプトとは?
山本:新オフィスを作るにあたり、どのように取り組みはじめたのでしょうか?
岩元:まずはコンセプトを決めるところから始めました。今回、新オフィスのコンセプトとして設定したのは「多様性」です。以前より弊社では会社のミッションとして「個性を極め、価値を作る。」というものを掲げていますが、単に言葉として掲げるだけでなくそれが実際に達成できる環境作りをオフィスから始めたいと考えました。
山本:ミッションを実現できる環境づくりがテーマだったんですね
岩元:「個性が極められるオフィス」とは一体どういう場所であるべきかを突き詰めていったところ、スタッフ一人一人の働き方に寄り添ったオフィスであるべきという結論に至りました。例えば人によってスタッフ間で会話しながら仕事を進めたい、静かな空間で集中したい、個室にこもってじっくりと作業に没頭したい、などそれぞれ適した働き方があると思います。その異なる働き方がオフィス内で実現できるよう、可能な限り空間のデザインにバリエーションをつけ多様性のある空間にすることで、各スタッフが一番力を発揮できるオフィスになることを目指しました。
山本:確かにそれぞれ集中しやすい環境が違いますよね。チームとのコミュニケーションが必要なタイミングが多いメンバーや、逆に黙々と作業することが多いメンバーなど、移転して間もないですがすでに居心地の良い場所に自然と集まっているイメージがあります。
岩元:そうなんです。働き方に合わせた3つのゾーンを作ることで、各スタッフにとって力を発揮しやすい空間を実現しました。詳しくご紹介しますね。
働き方にあわせた3つ異なるゾーン
岩元:写真のようにエレベーターを降りるとまず見えてくるのがカフェのような雰囲気漂うエントランススペース。この部分だけでも印象的ですがオフィス全体は実は集中ゾーン、カフェスゾーン、アクティブゾーンの3つに分かれています。
岩元:集中して静かな空間で作業をしたい方にぴったりな左の「集中ゾーン」、リラックスしながら作業を進めたい時には中央の「ゆったりゾーン」、そしてディスカッションしながら議論を詰めていきたい時のために「アクティブゾーン」を設けました。3つにゾーン分けした理由は先ほどの「多様性」というコンセプトにマッチさせるため。やはりスタッフの人数が増えてくると個人個人で一番個性や力を発揮できる環境はより違いが出てくると思うので、約230㎡の広い空間をあえて3つにゾーン分けし、それぞれ特徴が出るようにデザインしました。
山本:図面で見るとわかりますが、集中ゾーンと比べてゆったりゾーンは椅子の配置がランダムだったり、家具が変わった形だったり、かなり大きく違いますよね。
岩元:細かくこだわって作りましたので、詳しくご紹介します!
集中して作業に取り組みたい時に!集中ゾーン
モノトーンでまとめた清潔感のある空間
岩元:明るい光が差し込む窓際のカウンター席とホワイトデスク&セイルチェアを置いた清潔感のある空間です。集中力を妨げないよう全体的にカラーリングはモノトーン調でまとめ、照明の色味も昼光色にすることで明るい印象になるようにデザインしました。ちなみに新オフィスには音響設備を導入したので、集中ゾーンではヒーリングミュージックなど毎日流しています。
細かい作業に向いたモニター席&籠れる個室ブース
山本:ここは書類仕事が捗りそうですね。前のオフィスとはかなり雰囲気が異なりますが、設備的な部分のこだわりなどもありますか?
岩元:こちらのモニター席と個室ブースですね。建物設計など細かい図面の確認が必要な時にあると助かるのがモニター席です。27インチの4Kモニターを3台設置し作業効率をUPを目指しました。また壁で囲われた個室ブースも完備。1人で作業に集中したい、お客様とオンライン面談や電話をしたい時にぴったりな空間です。
国内照明ブランドの真鍮ペンダントライト
山本:オンライン面談が主流な世の中になってきましたので、こちらも活躍しそうですね。普段物件の仕様などにもこだわりを持って取り組んでいる岩元さんですが、インテリアもお好きと聞いています。その辺りはいかがでしょうか。
岩元:インテリアは一部前のオフィスから持ってきたものもありますが、今回の移転に合わせ新オフィスの雰囲気に合うものを導入しました。特にこのスペースの中でご紹介したいのはNEW LIGHT POTTERY(ニューライトポタリー)という奈良県発の照明ブランドアイテムです。購入したBullet flat shade(バレットフラットシェード)はシェード部分に素地の真鍮が使用されており、経年によって異なる表情が楽しめます。ブランドオリジナルの電球もフィランメント部分がほんのり灯ってとても美しいです。
山本:少し日が落ちてきた時間に、ほっと癒される空間になりそうですね!
リラックスしながら作業ができる、ゆったりゾーン
木目素材と柔らかい明かりでカフェのような空間に
岩元:続いて、先ほどの集中ゾーンとは印象をがらりと変えたゆったりゾーンです。木目調の素材&観葉植物をたっぷりレイアウトし、照明も電球色を中心にデザインすることでカフェのようなリラックスできる空間を目指しました。また、集中ゾーンと空間を隔てる壁は、一面造作の壁です!ドアの周りに傾斜をつけた独特な壁となっており、新しいオフィスの顔となるデザインになっています。
山本:照明などもだいぶ変わりましたね!ここでのこだわりポイントもぜひ教えてください。
五角形の造作メインテーブル
岩元:なんといっても目を引くのは五角形の造作テーブルですね。面材に突板を使用し、テーブルと同型の下がり天井を設けることで空間にリズムをつけました。テーブル中央にはスペースを設け、観葉植物を設置できるような工夫をプラスしました。また観葉植物自体も「多様性」というコンセプトをもとに、種類や高さなど個性が際立つものを植物レンタルショップであるnota house plants(ノタハウスプランツ)さんに選定いただきました!
山本:弊社で運営しているWORK LABELというシェアオフィスでも、nota house plantsさんの植栽を利用させていただいております。オフィスに緑があるだけで安心感が生まれますよね。
岩元:入り口入ってすぐに目に入るので、来社されたお客様にとっても安心できる空間だといいなと思います。
みんなが集えるBARカウンター
岩元:そして、カフェスペースの奥にはなんとBARもあるんです!造作のBARカウンターは腰壁の部分を左官で仕上げました。朝は少々分かりづらいですが、夜照明にあたるとゴールドのような色味に変わり、朝夜で表情の違いも楽しめます。仕事終わりにここでスタッフと一緒に乾杯するのも良さそうですね!
山本:カジュアルな相談をするにもよさそうな空間ですね。ちなみに、こちらのエリアでもこだわりのインテリアが使用されているのでしょうか?
世界中で愛されるYチェア & PH5
岩元:このスペースに設置しているこだわりの家具といえば、北欧デンマーク生まれの名作イスであるこちらのYチェアですね。オーク材のオイル仕上げで、座面のペーパーコードは今でも職人の手で張られているそうです。1950 年にハンス J. ウェグナーによってデザインされてから世界中で愛され続けており、新オフィスでの経年変化も楽しんでいきたいです。
山本:造作の家具ともマッチしていてすてきです!
岩元:それともう一つ!こちらのBOX席に設置した、ルイスポールセンの「PH5 Mini」もこだわりのインテリアです。このBOX席は、社内打ち合わせはもちろん、食事をとったり、休憩したり…多様な使い方ができる場所で、スタッフ内でも人気の場所となっています。このほっこりする空間に、「PH5 Mini」の優しい光がマッチしていると思います。
無限のアイディアが生まれる場所!アクティブゾーン
ビビットな壁紙をあしらった3つの会議室
山本:最後に、先ほどの2つのゾーンとは印象が大きく違うアクティブゾーンについて詳しくご紹介をお願いします。
岩元:こちらはそれぞれビビットな赤、青、黄を壁紙に使用しました。様々な色の中からあえてこの3色を選んだ理由は、この世にある色のほとんどは色の三原色と呼ばれるこの赤、黄、青を混ぜ合わせることで表現することができると言われています。
山本:それをあえて会議室のエリアに設定したわけですね?
岩元:異なる原色を混ぜ合わせると無限の色が作れる=色(個性)の異なる人が会議という場で意見を交わすと無限のアイディアを生み出せる」というメッセージ性も込めてこのカラーを選定しました。
山本:まさに「個性を極めるためのオフィス」ですね!
どんな空間にもマッチするチェスカチェア
岩元:ちなみに、このスペースで特にお気に入りのインテリアはマルセル・ブロイヤーによってデザインされたCesca Chair(チェスカチェア)。コの字型の1本のパイプで形成されたデザインが特徴的で、座った時に適度な弾力が感じられます。パイプ素材のモダンな印象もありつつ、座面と背のラタン素材が柔らかい雰囲気を出しているので、様々な空間に合わせやすい椅子だなと感じています。
山本:ご来社された方にもぜひ体験いただきたいですね。最後に、メッセージをお願いします。
岩元:「多様性」というコンセプトを掲げデザインを進めた新オフィス。素材、テイスト、照度など細部へのこだわりがスタッフの働きやすさ、ひいてはその先にある「個性を極め、価値を作る。」というミッション達成のために大きく貢献できる鍵となれればとても嬉しく思います。
山本:ありがとうございました!
オフィス移転後、オンライン面談からご来社いただいての面談も開始しております。
ご希望に合わせてご案内させていただいておりますので、お問い合わせの際にご要望をお聞かせいただけますと幸いです。
企画:東京レーベル
設計:&LABEL建築設計事務所(https://www.tlabel.jp/and/)
施工:Treehopper
植物:nota house plants (https://uekiyasan.info/)
山本 澪
慶應義塾大学大学院卒業後、ワタベウエディング(株)にプランナーとして入社。事業戦略に従事したのち、エムスリー(株)にてマーケティングソリューションの営業/集客を経験。東京レーベルに入社後、マーケティングを担当。
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